こんにちは!Apple信者のiOSエンジニアです。
この記事は、とある本に込められた想いに駆り立てられて書いたものです。
その本の名を「Designed by Apple in California」といいます。
多くを語らないAppleらしい、愛と物語に満ちた写真集を一緒に見ていきませんか?
・Designed by Apple in Californiaとはなんなのか
・Apple公式写真集に秘められた奥深いコンセプト
・(少しだけ)本の中身
・ジョナサン・アイブの想い
・Designed by Apple in Californiaを2022年に購入する方法(かなり難しい)
Designed by Apple in Californiaとは
冒頭でもお伝えした通り、ここで言う「Designed by Apple in California」とは本のタイトルのこと。
しかもただの本ではなく、Appleが公式に出している「写真集」です。
「え?写真集?どういうこと?」
と思う方もいるかもしれませんね。
「iPhoneやiPadみたいなデバイスじゃなくて?写真集?」
そうです、「写真集」です。
1998年に発売されたカラフルなiMacから2015年に発売された初代Apple Pencilまで、総数450枚もの写真が納められています。
そしてもちろん、カタログでもありません。
この写真集に映っているプロダクトのほとんどは、もう遥か前に販売終了してしまったものたち。
だから、お取り寄せをするためのカタログでもありません。
ただただ無心になって、Appleとジョナサン・アイブの想いに浸るための正真正銘の(本の形をした)プロダクト。
それこそが、「Designed by Apple in California」という写真集です。
Designed by Apple in Californiaの基本情報
ではざっくりと、この本の基本情報について触れていきますね。
発売日は、2016年11月15日。ちょうどiPhone 7が発売された2ヶ月ほど後のことになります。
書店に並ぶことはなく、Apple StoreもしくはオンラインのApple Storeでのみの販売となりました。
日本では、Apple銀座で実物の展示もあったようですね。
全く中身は同じなのですが、サイズは2種類あります。
大サイズは横33cm × 縦41.3cm、小サイズは横26cm × 縦32.4cmとなっています。
またそれぞれ発売当時で、大サイズは30,800円、小サイズは20,800円。
さながら、当時最新だったiPhone 7とiPhone 7 Plusのよう。
僕の手元にあるほうは、2種類あるほどの小さい方のサイズ。
小さいサイズであってもぎっしりとページが詰まっていて、その重量は4kg近くあります。
ハイスペック写真集
ハイスペックという言葉が的確がどうかはわからないのですが…
この本を手にとったときひしひしと伝わってくる感覚は、まさにiPhoneを開けたときや、新品のMacBookに触れたときに感じるワクワクそのもの。
デバイスではないにも関わらず、Appleがまた凄まじいものを作った!という感じがビリビリと伝わってきます。
まずページ紙の3方の済には銀箔が施されているので、ページを閉じた状態ではキラキラと光り輝いているように見えるのが素敵です。
次にそれぞれの印刷がかなり綺麗。
語彙力がなくて申し訳ないですが、ずばりRetina Displayのようです。
僕は印刷やインクなどに詳しくはないのですが、写真の多くは限りなく実際のデバイスに近い色だと感じました。
またこの写真撮影を担当したのは、フォトグラファー兼映画製作者のアンドリュー・ズッカーマンという方。
彼の代表的な撮影手法は、被写体に対して真っ白な背景を使うことなのだそう。
Appleらしさとアンドリュー氏らしさの両方が噛み合ったことで、これほど精悍な仕上がりになっているんですね。
Designed by Apple in Californiaという言葉
この言葉は、Appleファンの方の中ではおなじみですよね。
直訳すると、
カリフォルニアで、Appleによってデザインされました
という意味ですね。
デバイスに刻印されていたり、化粧箱の中の冊子に印刷されていたり。
Appleがとても大切にしている言葉だといえます。
また実際の製品には、そのあとに生産場所が記されていて、
Designed by Apple in California Assembled in China
のような形になっていることもありますよね。
Designed by Apple in Californiaの外観や中身
ではいよいよ、実際の写真で見ていきましょう。
全景はこんな感じです。真っ白で余計な情報がありません。
表紙ロゴに関しても、インクは使われていません。型押しのように凹ませてロゴを表していますね。
背表紙に関しても、表紙ロゴと同じように型押しが施されています。これが本の外側にある唯一の文章ですね。
3面に銀箔処理が施されているため、写真ではわかりくいですがキラキラとシルバーに輝いています。
ではここから、パラパラと本をめくっていきましょう。450ページのうち、ほんの少しですがお気に入りのものをご紹介しますね。
どのページのデバイスも、まるで本物が目の前にあるかのように撮影されていますよね。
あまりにもデバイスがきれいなので「CGかな?」と思ってしまいそうになりますが、これらはすべて実写の「写真」です。
また本とは思えないほどに、ガジェットライクな梱包がなされています。
また梱包の内側にも、デバイスのイラストが描かれています。細かいところまで、ファン心をくすぐる演出がなされていますね。
Designed by Apple in Californiaに秘められたコンセプト
文字のほとんどない写真集といっても、そこには尋常でないこだわりや想いが秘められていると感じます。
一体それがどんなもので、どれほどのパワーをもっているのか、詳しくご紹介していきますね。
本に書かれている唯一の文章
このDesigned by Apple in Californiaという本には、ほとんど文字が書いてありません。
書いてあるのは本のタイトルと、写真に映っているデバイス名、その発売年だけ。
そのため文章というよりも、文字がちょっとだけ書いてあるという表現が正しいでしょう。
しかし本の冒頭、唯一の文章が書いてあります。
スティーブ・ジョブズに捧ぐ
あまりにも神聖で眩しく、そのまま英語の原文をここに書くことも、写真に収めることもはばかられるほど。
この短くて美しく、涙を誘いさえする文章が英語で書かれています。
文章はたったこれだけだというのに、そのたった一つの文章だけで、Appleの主張がヒリヒリと伝わってくるようです。
これほど最高の書籍は他にないと思えるほど。
ジョナサン・アイブの想い
実はこのDesigned by Apple in Californiaには、写真に収められたデバイスについて軽い説明文が書かれた冊子が同梱されます。
その冊子には、販売されている国の言語で翻訳された「序文」が書かれている。
その序文を書いているのは、世界的デザイナーでAppleの元CDO(Chief Design Officer)であるジョナサン・アイブ氏です。
Love Fromという会社を立ち上げるため2019年にAppleを去ってしまいましたが、今もAppleファンにとってはアイコン的存在だといえるでしょう。
「ジョニー・アイブ」という愛称でも有名ですね。
Appleに詳しくない方でも、かつてApple製品紹介のビデオで低くて良い声のナレーションをしていた方というとお分かりになるでしょうか。
ジョニー・アイブはほとんどメディアにも登場せず、現在や過去の自分の仕事についても語らず、淡々と仕事をこなす方。
そんな彼が、生前誰よりも仲良くしていたスティーブ・ジョブズのために、またおそらく同じ気持ちを持つAppleファンのために…
普段は滅多に表に出さない想いが詰まった文章を、この本の所有者・読者のためにしたためてくれたわけです。
ジョニー・アイブは、自分たちがやってきた仕事(=Appleでのデザイン)を残すには、写真の形にすることがいちばんだと語っています。
Appleのデザインスタジオでの仕事というのは、時として言葉や文章さえも邪魔になる、極限の集中力が求められたことが容易に想像できますよね。
また、これは僕の考察に過ぎませんが…
Designed by Apple in Californiaからハイスペックさや静寂さ、また潔白さを感じるのには、きっとジョニー・アイブの想いが宿っているからだと思います。
写真ひとつとっても、本当に写真なのかと思うほどに磨かれ、これ以上に良い画角と調光があるかと思えるほどの仕上がり。
“スティーブ・ジョブズに捧ぐ”
その言葉を掲げている製品なだけに、
「細部に至るまで1mmたりとも妥協してなるものか」
というジョニー・アイブの魂の声が聞こえてきそうにさえ感じます。
もちろんこれは、僕らがいつも使っているApple製品にも言えること。
たとえプロダクトの素材がアルミニウムから紙製の本に変わったとしても、彼の信念が揺らぐことは決してないのでしょう。
Designed by Apple in Californiaに関するエピソード
ジョニー・アイブは、この本に関して驚きのエピソードを話していました。
というのは、この本を作り上げるために新たに買い直したデバイスが結構多くあるのだそう。
つまり、いざこの本のために過去のプロダクトの写真を撮ろうと思ったら「Apple社内を探し回ったけどなかったよ」というパターンがあったとのこと。
Apple社内で新しいプロジェクトが進み始めたら、どれほどヒット商品が世の中を騒がせていたとしても、ほとんどのケースで過去を振り返ることはしない。
どれほどの大ヒット商品であっても、Appleにとってはただの過去だということでしょう。
本当の意味で過去の栄光にすがることなく、前に進んでいく。
そんな姿勢さえも、この本は教えてくれるといえるでしょう。
2022年にDesigned by Apple in Californiaを購入する方法
2022年現在、この本Designed by Apple in Californiaを購入することはとても難しいです。
この本は生産体制が特殊だったのか、何度か販売中止を経て、2019年に完全にApple Storeから姿を消してしまいました。
加えてメルカリやeBayなどでは、大サイズの新品未開封品で10万近い値段がつけられることもあるほど。
なのでもし、古書店などで定価に近い値段で見つけたときには、ぜひ手にとっていただきたいと思いますよ。
また、我が国の国会図書館にもDesigned by Apple in Californiaは収蔵されているそうです。
そのためどうしても手に取ってみたい方は、図書館などの利用も検討してみるのも良いでしょう。
さいごに
この記事では、Designed by Apple in CaliforniaというApple公式の写真集についてのご紹介でした。
Appleが好きな方には、こんなに素晴らしい本があるということを知ってほしいという気持ち。
また、同じ感動に浸ってくださる方がいたら良いなぁという思いから、こうしてご紹介をさせていただきました。
なのでこの本に秘められた想いを知って、同じ感動を味わってくださる方がいたら、それだけでとても嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。